ISBAOリスク分析に基づく安全管理を要とする国際運航規準

“安全管理”は航空界では日常の用語として定着していますが、その内容についての厳密な定義は無く、その解釈や実践の実態にはオペレーター間で開きがあります。  

わが国の航空法の体系、米国のFAR、その他諸外国の航空法の内容は安全な航空機のオペレーションを行う上で“何を守らなくてはならないか−WHAT”を定めた安全規制であり、その定めを“具体的にどのような手法、及び心構えで実践するか−HOW”はオペレーターに委ねられています。 

このHOWの部分が安全管理でありますが、オペレーションと言っても規模、内容、或いは形態も又様々ですから、実態としてそのIntegrity(完全性)にオペレーター間で開きが生じています。 安全規制と安全管理は安全という“布”を織る縦糸と横糸の関係にある訳ですから、Integrityに開きがあることは容認されるべきでは無いのですが、そうかといって法規的な定めを以って一致したIntegrityを求めることは馴染みません。 つまりオペレーションは多様であり、更にはヒューマン・ファクターが、そして最終的には組織風土が深く関係する事柄でもあるからです。

ISBAOan International Standard for Business Aircraft Operations)はIBACInternational Business Aviation Council)により2002年に発行されたビジネス航空機の安全管理を要とする運航基準です。 これまでビジネス機の内、特に自家用機によるオペレーションに関しては国際的にも具体的な運航基準(WHATの部分)も十分なものが無く、安全管理(HOWの部分)に関しては“あなた自身の命の問題”として自己管理に委ねられてきました。

然しながら近年の経済活動のグローバル化と高性能小型機の出現によりビジネス航空の様相が変わり、複数の乗客を乗せての大陸間飛行も日常行われるようになるに至って必要に迫られ、数年にわたる検討と実証を経て、その為の運航基準と安全管理手法がISBAOとして設定されたものです。

まったくの新規ですから、特に安全管理については1990年代後半に開発されたリスク分

析の手法を取り入れており、その章立ては一般的な運航基準とは異なり、安全管理を要として組み立てられています。 即ち頭にHOWの部分である“安全管理”、及び“組織と要員に係わる要件”があり、そのあとに通常のオペレーションズ・マニュアルの要素である訓練、運航、整備等などの基準、即ちWHATの部分が配置されています。ISBAOは自家用のみならず、国のCertificationを得て行われるチャーターや定期航空のオペレーションに於いても十分参考となるものです。

 

認定登録制度

IBACISO9000’sと同様なISBAO認定登録制度を設けており、それに登録されたオペレーターは優れた安全管理が行われている証を有することを意味します。

登録の為の審査はIBACの認定するAuditorにより所定の方式に則り行われます。当協会にもAuditorの有資格者がいますので、日本語での審査を受けることができます。

 

ISBAOの価格と入手方法

日本語版.pdf 又は.doc)を¥5000で頒布しますのでwebmaster@jbaa.org にお申し込みください。 但しこれは研究調査目的だけに使用されるものであり、何らかの容で業務に使用される場合は、IBACから英語版(ハード・コピー+CD-ROMRevision Service 付)の購入が必要です。この場合JBAA会員価格はUS950、会員以外の場合はUS1400です。これについても webmaster@jbaa.orgにお申し込みください

 

参考

@     解説ISBAO

A     リスク・分析の手法について

B     Auditor